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芭蕉さんと「とくとくの清水」


6月のとあるお茶の稽古日
この日の主菓子は膳所(ぜぜ)の老舗和菓子店
”亀屋廣房”製「とくとくの清水」でした
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亀屋廣房HPより 銘「とくとくの清水」

でもどうして清水なのに琥珀色なのと・・・??

と言いますのは・・・
大津市南部の「国分山(こくぶやま)」には松尾芭蕉の
「幻住庵(げんじゅうあん)」(昭和10年に再建その後新築)があります
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芭蕉は奥の細道の旅の後幻住庵に4ヶ月滞在し
その時の暮らしの様子を幻住庵記に記しました
そして庵を少し下がったところに清水が湧き出ているところがあって
この水を汲んで自炊したことが書かれています
それが「とくとくの清水」なんです
とくとくの清水
左 肝心の写真がうまく撮れなかったのでパンフレットより
右上 雨で濡れて読みにくい・・・
右下 とくとくの清水から流れ出す湧き水

こんこんと湧き出てくる清水・・・
その周りには苔むした石や岩

清水そのものではなく周囲の石や岩の様子を
そう、菓子はこの様子を表していたのです(長くなりました・・・(^^ゞ)

幻住庵記の結びに記された
「先ず頼む 椎の木も有り 夏木立」の句碑
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幻の棲み家同様の人の世にあって
まずともかくも頼むところの棲み家が
この椎の木の下だ   という意味だそうです

芭蕉さんの故郷は伊賀ですが近江が大好きで
お墓も膳所の義仲寺(ぎちゅうじ)にあります
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幻住庵のある近津尾(ちかつお)神社
毎年10月に「芭蕉祭」が開催されます
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