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嘆きのサザンクロス

戦後72回目の夏・・・
あの日、父は海軍飛行予科練習生として愛媛県宇和島で、
母は従軍看護婦としてフィリピンルソン島で終戦を迎えました
戦争なんかなかったら二人とも青春真っただ中だったはず・・・

父は寡黙な人で自ら進んで戦争の話はしませんでしたが、終戦の
前年、特攻も覚悟し予科練14期生として入隊したが、訓練用の飛行機
さえなく毎日お尻を叩かれていたこと、戦後母と姉とで苦労したことは
聞いていました

母は女ながら赤紙の召集令状でフィリピンへ行き、医薬品も物資も足
りない中、傷病兵の看護をしていたこと、終戦も知らずジャングルを
彷徨っていたこと、捕虜収容所病院での出来事を聞かせてくれました

それらのことを70代半ばも過ぎた頃から滋賀県のNPO戦争を語り継ぐ会
で語り部として小中高校や各種の会合の場で話していました
そしてそれまでメモ書きみたいにしていましたが、孫から「おばあちゃん、
僕らのためにもきちんと残して」と言われ、何年もかけて整理し冊子に
したのが下の写真「嘆きのサザンクロス」です

フィリピンへ向かう船からずっと見えていた南十字星(サザンクロス)を題名に・・・
サザンクロス1
この冊子は私の手作りです
貴重な体験をした母の娘として、そして同業の後輩として私にできる
ことを考えた時、冊子化してできるだけたくさんの方に読んでもらうこと
にしました    

母にゆかりのある人達、私の友人知人、そしてその友人たちが様々な
方面の方にも渡してくれ、若い世代の人達にも戦争を考えるきっかけに
なったように思います

これは益田市に住む私の従妹(母の姪で看護師)が仕事上でお付き合いのある
元軍医さんに冊子を読んでもらったところ、ご厚意で数冊製本してくださったものです
サザンクロス2

私は戦争の爪痕や戦後の混乱など何も知らない時代に生まれ
何不自由なく育ちました
でも両親や祖母の話から戦争の悲惨さ、残酷さ、理不尽さを知り、
絶対に繰り返してはならないと思っています

戦争体験を語れる人たちは確実に近い将来いなくなります
父の晩年、予科練を志願した時や終戦を知った時の気持ち、
戦死した級友のことを聞き、多くを語らなかった父のことが少し
わかったようにも思いました・・・
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コメント

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okkoさん,今晩は。

此処へ来て戦争とゆう活字を目にしますが
無意味な殺し合いは止めて欲しい。
テロによる被害と違う事ぐらい分かっているはず、
身勝手な独裁者が国民を滅ぼし・国をぼろし、
関係の無い国まで戦争災害を及ぼす行為は
止めて欲しい。
平和への戦う戦争はこの世になし。

明日も平和でありますように。

Re: okkoさん,今晩は。

> 此処へ来て戦争とゆう活字を目にしますが
> 無意味な殺し合いは止めて欲しい。
> テロによる被害と違う事ぐらい分かっているはず、
> 身勝手な独裁者が国民を滅ぼし・国をぼろし、
> 関係の無い国まで戦争災害を及ぼす行為は
> 止めて欲しい。
> 平和への戦う戦争はこの世になし。
>
> 明日も平和でありますように。


yatyouさんコメントありがとうございます。
最近の不穏なニュースえお聞くにつれ、不安になります。
「平和への戦う戦争はこの世になし」・・・
戦争をする理由に平和のためということの愚、
本当にそう思います。

終戦の日に

okko様
平和を守るために、戦争のことを伝えていかなければと思いますね。実は私の母も日赤の看護婦で、内地で傷病兵の方たちの救護をしていたそうです。上京した折に目にした傷病兵の方たちの姿、幼心にはっきりと残っています。近年ようやく戦争が他所の事では無いように感じられるようになりました。平和を守るために出来ることってなんなのでしょうか?

戦争

主人の父もフィリピンで戦死しています。
でも、義父の最期はよくわかりません。
主人は父の顔も知りません。
赤ん坊の時に出征したそうです。
主人の母のそのあとの苦労は、それは、それはたいへんだったと思います。
その母は2度フィリピンへ遺骨収集に、主人は2度、そして、わたしと共に旅行でも、フィリピンへ行っています。

Re: 終戦の日に

> okko様
> 平和を守るために、戦争のことを伝えていかなければと思いますね。実は私の母も日赤の看護婦で、内地で傷病兵の方たちの救護をしていたそうです。上京した折に目にした傷病兵の方たちの姿、幼心にはっきりと残っています。近年ようやく戦争が他所の事では無いように感じられるようになりました。平和を守るために出来ることってなんなのでしょうか?


コメントありがとうございました。
お母様が日赤の看護婦さんだったこと、何か不思議な縁を感じずにはいられません。
平和を守るためにできること・・・とても難しい課題だと思います。
でも少なくとも「やられたらやり返す」では永遠に平和にはならないように思います。

Re: 戦争

> 主人の父もフィリピンで戦死しています。
> でも、義父の最期はよくわかりません。
> 主人は父の顔も知りません。
> 赤ん坊の時に出征したそうです。
> 主人の母のそのあとの苦労は、それは、それはたいへんだったと思います。
> その母は2度フィリピンへ遺骨収集に、主人は2度、そして、わたしと共に旅行でも、フィリピンへ行っています。


とても驚いています。こんな偶然もあるのですね。
お義父さまがフィリピンで戦死・・・もしかしたら母とどこかで接点が
あったかもしれないと思うと心がざわつきます。
母もフィリピンへは慰霊の旅に行っています。
愛知県蒲郡の三ヶ根山に「比島観音」が建立されていて、フィリピンで
戦死された方々の供養がされています。フィリピンにつながる太平洋が
見下ろせる場所です。
母が「もう行けるのもこれが最後かもしれない」と言うので数年前に父も一緒に行きました。

終戦に関する記事を読む機会が多いこの頃ですが、それぞれの方々がそれぞれの体験を綴ってくださるおかげで、戦争を知らない世代の私たちも、一つひとつピースを埋めるように戦争の実態を垣間見ることができます。とはいえ、戦争のお話しは、とてつもなく膨大な情報量を持っていて、心で消化しきれず、無力感にさいなまれます。
いつも、情緒豊かに植物や生きものに思いを馳せて文章を載せてくださるokkoさんがご両親の戦争の話を聞き、お母さまの体験を本にまとめておられたとは、とても感慨深いです。素晴らしいことですね。
機会があれば、ぜひ読みたい本です。題名も心にグッと響いてきます。

Re: タイトルなし

> 終戦に関する記事を読む機会が多いこの頃ですが、それぞれの方々がそれぞれの体験を綴ってくださるおかげで、戦争を知らない世代の私たちも、一つひとつピースを埋めるように戦争の実態を垣間見ることができます。とはいえ、戦争のお話しは、とてつもなく膨大な情報量を持っていて、心で消化しきれず、無力感にさいなまれます。
> いつも、情緒豊かに植物や生きものに思いを馳せて文章を載せてくださるokkoさんがご両親の戦争の話を聞き、お母さまの体験を本にまとめておられたとは、とても感慨深いです。素晴らしいことですね。
> 機会があれば、ぜひ読みたい本です。題名も心にグッと響いてきます。


蓮の葉 さま
コメントありがとうございました。終戦記念日前後にしか戦争のことを目にしたり耳にすることがなくなって
久しくなりました。戦争を知らない世代の方に興味を持っていただけたこと、嬉しい限りです。
もしよろしければ冊子をお送りいたしたいのですが・・・。
別途、メールを送ります。

Re: Re: タイトルなし

> > 終戦に関する記事を読む機会が多いこの頃ですが、それぞれの方々がそれぞれの体験を綴ってくださるおかげで、戦争を知らない世代の私たちも、一つひとつピースを埋めるように戦争の実態を垣間見ることができます。とはいえ、戦争のお話しは、とてつもなく膨大な情報量を持っていて、心で消化しきれず、無力感にさいなまれます。
> > いつも、情緒豊かに植物や生きものに思いを馳せて文章を載せてくださるokkoさんがご両親の戦争の話を聞き、お母さまの体験を本にまとめておられたとは、とても感慨深いです。素晴らしいことですね。
> > 機会があれば、ぜひ読みたい本です。題名も心にグッと響いてきます。
>
>
> 蓮の葉 さま
> コメントありがとうございました。終戦記念日前後にしか戦争のことを目にしたり耳にすることがなくなって
> 久しくなりました。戦争を知らない世代の方に興味を持っていただけたこと、嬉しい限りです。
> もしよろしければ冊子をお送りいたしたいのですが・・・。
> 別途、メールを送ります。


追伸
蓮の葉 さま
メール送ることができませんでした。どうしたらいいか考えています。

Re: Re: Re: タイトルなし

> > > 終戦に関する記事を読む機会が多いこの頃ですが、それぞれの方々がそれぞれの体験を綴ってくださるおかげで、戦争を知らない世代の私たちも、一つひとつピースを埋めるように戦争の実態を垣間見ることができます。とはいえ、戦争のお話しは、とてつもなく膨大な情報量を持っていて、心で消化しきれず、無力感にさいなまれます。
> > > いつも、情緒豊かに植物や生きものに思いを馳せて文章を載せてくださるokkoさんがご両親の戦争の話を聞き、お母さまの体験を本にまとめておられたとは、とても感慨深いです。素晴らしいことですね。
> > > 機会があれば、ぜひ読みたい本です。題名も心にグッと響いてきます。
> >
> >
> > 蓮の葉 さま
> > コメントありがとうございました。終戦記念日前後にしか戦争のことを目にしたり耳にすることがなくなって
> > 久しくなりました。戦争を知らない世代の方に興味を持っていただけたこと、嬉しい限りです。
> > もしよろしければ冊子をお送りいたしたいのですが・・・。
> > 別途、メールを送ります。
>
>
> 追伸
> 蓮の葉 さま
> メール送ることができませんでした。どうしたらいいか考えています。

蓮の葉さま
メールを送る方法がどうしてもわかりません。
そこでお手数ですが、「拍手」をクリックすると「拍手コメント」の入力フォームが
出てきて「非公開」が選べます。もし差し支えなければメールアドレスを書いていただけると
こちらから送ることができるのですが…。